話題の児童書など

本職以外のところがちょっと忙しく、なんだかもう余裕も無く本もなかなか読めずにおりました。あ、本職は古本屋です。

本屋の児童書コーナーではどこでも平積みでシリーズが置かれており小学生に大人気の「若おかみは小学生」のシリーズが入荷しまして、どんなものかと読んでみるとこれがおもしろい。あっという間に読めてしまうのでさくさくと五巻まで読んでしまいました。


割とハードな過去を背負っているはずの小学6年生おっこが、なりゆきで温泉旅館の若女将をすることになってしまい、旅館に憑いてる幽霊(表紙でバンザイしている男の子です)なんかも出てきて変なお客も次々とやってきててんやわんや、という話です。「はるちゃん」なんかと同じような話でしょう。見たこと無いけど。


毎回話の終わりに、妙なお客がやってきて、ひゃあ、どうなるの?というところで次巻に続く、というのもうまいですなあ、見たこと無いけど「HOTEL」なんかも同じなんでしょう、姉さん事件です。


女将であるおばあちゃんはけっこう厳しく現実的で、がんばったんだからしょうがないなんてことは言いません。だもんでおっこは失敗してはしょっちゅう落ち込み、仕事としての若女将の厳しさを痛感します。このへんがきっちり描かれてあるので、ぎりぎりのリアリティが生まれ、子供だましではなく大人の鑑賞にも堪えうる作品になっている気がします。
なにより幼いなりに自分たちの運命をしっかり受け止め、一生懸命な子供たち(一部幽霊)の描写が涙を誘います。私のツボはそこなんですけど。


唯一難点を挙げれば、いかにもマックで描きました的な表紙やイラストです。アニメ的なキャラクターは今風で可愛らしく悪くはないのですが、レイアウトや背景などが素人目にも手抜きに見えてなんだか悲しくなります。対象読者の小学生は気にしないでしょうけど、お話が丁寧なだけに惜しいです。


大人の私が諸手をあげて絶賛するのもなんだかなあ、と思いますが、小学校高学年くらい、本好きなら中学年くらいからいけると思います。父ちゃん母ちゃんも一緒に読んでみて下さい。セカチューの百倍はおもしろいはずです。


あと「ムジナ探偵局」と言うシリーズも気になっています。
こちらは逆に見た目は地味なのに人気があるようなので。


ではまた。