「緑の目の令嬢」vs「青い目の少女」

これは本当にたまらない。


ますます学級文庫化が進む古本浪漫堂です。
同じポプラ社の少年探偵団のシリーズがごそっと売れていってしまったと思ったらやってきましたアルセーヌ・ルパン!
義賊、義賊ですよ、怪盗で紳士ですよ。他にこんな名前で呼ばれている悪者がいますか?二十面相なんて怪人ですよ、やってることは変人だったり変態だったり、まあそっちも大好きですけど。


こちらも少年探偵団のシリーズ同様、新しく創刊されたシリーズでは消えてしまっているお話があります。子供向けの冒険小説に長けた、訳者である南洋一郎さんが勝手に書いてしまった話があるそうで、全く知らなかったのですが私の子どものころのベストだった「ピラミッドの秘密」はほぼ創作だそうで、これは新シリーズでは消えてしまっています。もったいないことです。


「三十棺桶島」なんてなんだかもうタイトルからすばらしすぎる、これは内容もまさに手に汗握るすばらしさでしたが、完訳版というのを読んでみたらあれれこんなもんだったかしら、と首をひねってしまったことを覚えています。初読の興奮を差し引いたとしても、やはりわれらの遺伝子には南洋一郎さんが刻み込まれているのだなあ、と思わざるを得ません。


古書市場ではそれほど高値はついていない両シリーズですが、おそらくこれから上がってくるものと思われます。
我々の世代が手放さないでしょう、これからは。


コンプリートするなら今のうちかもしれません。なんてこっそり自分用にも集めていたりします、全三十巻!


ではまた。