とうとう
以前、「本の雑誌」で大森望らが紹介していたのを目にしてから気になっておりました。まあ、あえて買ってまで読むこともあるまいと思っていたのですが、仕入れで入って来ましたもので。
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 文庫
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読みましたよ。これが意外と・・・。
作者はきちんと本を読んできた人なんでしょうねえ。文章や描写はとてもしっかりしていてなかなか油断できません。わりとその辺が後々への伏線になったりしてますし。
単なる学園ドタバタモノだと思っていたら、実は壮大なSF的ガジェットが仕込まれておりドギモを抜かれました。
主人公ハルヒが誰よりもそれを望んでいるのに、唯一それに気が付かない存在であるというワンアイデアがとてもユニークで、中盤からのたたみかけられる様に明かされるとんでもない真相の数々は、全く予備知識無しにラブコメ小説程度の認識で読んできた自分にとってはあまりにも意外すぎて笑いが止まりませんでした。
我々おっさん本読みがもっとも懸念すべきいわゆる『萌え要素』も、ここまであからさまに力技でブチ込まれると逆にすがすがしくて笑えます。さりげなさを装って、いかにも不自然にこびたキャラにあふれたようないまどきの作品などより(いやよくは知りませんが)よっぽど気持ち良いです。
なによりハルヒと仲間たちの無駄で無為な高校生活が非常に楽しそうです。なんか楽しいこと無いー?って駄弁ってたあのころが一番楽しかったんだよ、若者よ、当時の俺よ。
まあ、よく考えればあたしゃあ今もあまり変わってませんが・・・、そうは言っても生活がねえ。
私はこの一冊で大満足でしたのでとりあえず続きを読む予定はありません。
がしかし、中高生のころに読んでいたらはまってただろうなあ。誰にも内緒で全巻そろえたり、発売日に遠くの本屋まで買いに行ったりしてそうです。で、入ってないの田舎だから。
あとスニーカー文庫ってカバーはずしたら角川文庫と一緒なんですね。発見!角川文庫。
ではまた。