コニー・ウィリス「ドゥームズデイ・ブック」

ドゥームズデイ・ブック」がおもしろい。いやようやく上巻を読み終わったところですが。

このお話、研究のため中世イギリスに単身タイムマシンで送られた歴史学者の女学生キヴリン・エングルと、送った側の現代の研究所の面々との双方のトラブルをじゅんぐりじゅんぐり描いていくSFなのですが、まあ、展開が遅くて話が進まない。


現代「ああ、大変です、マシンにズレが・・・」「なんだってどういうことだ!」「それは・・・」バタッ(昏倒)チャララッ、チャーラー! 
一方その頃キヴリンは、
「ここは、どこ、無事に中世に着いたのかしら?あ、あの人は誰?」バタッ(昏倒)チャララッ、チャーラー!


こういった展開が果てしなく続き、いつまでたってもそのトラブルの本質がわからない、まさか600ページ近い上巻を読み終えてもわからないなんてことは無いだろうなあ、なんて冗談みたいに思ってたら本当にいまだにわかりません。唯一謎を知っているはずの人物は開始早々74ページから昏倒したまま死にそうです。


しかし、おもしろいです。そういった謎にひっぱられて読み進めてきたのはもちろんですが、伊達に長いわけではなく、キャラクター心理や時代背景にいたるまでの描写や展開が非常に細かく丁寧なので、どっぷり世界にはまり込めます。


いったい、マシンのトラブルとは何なのか?キブリンちゃんは無事に現代に帰れるのか?そしてこのタイムトラベルと現代イギリスで突如起こったパニックとの関係は?

本筋ではありませんが、世界名作劇場好きとしましてはキヴリンがお世話になっている家庭の事情もいろいろ気になります。ロズムンドは本当にエロデブオヤジのもとへ嫁いでしまうのでしょうか?アグネスはキヴリンがいなくなっても大丈夫なのかなあ?今から泣けてきます。


様々な謎を抱えたまま下巻に突入します。


ではまた。