広瀬正「マイナス・ゼロ」

広瀬正「マイナス・ゼロ」を十年ぶりぐらいに再読しました。

マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)

マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)

この小説はタイムマシンものとしましてはスッキリ度ナンバーワンの超傑作であると、ワタクシ絶賛度激ヤバのSFであると、あちこちで吹聴していたのですがなにしろ最後に読んだのは十年ぐらい前(初読以来何度も読み返しておりましたが)果たして今の自分にとってはどう?というのが不安でもありました。が、杞憂でしたなあ。いやあ、おもしろかった。


数々の伏線が、驚くほど美しく、ラストにはきれいな円となる。実はおそろしく複雑な話が高校生でもストンとわかるほどの鮮やかさで落ちてくるこの気持ちの良さは他では味わうことの出来ないものでした。


本好きでこれを読んでいないという方はある意味とてもしあわせです。読むといいよ。SF苦手でも全然いけますよ。


昔大好きだった本を、年取ってやっぱり大好きと思えることはしあわせです。


良いなあ本は。


ではまた。