「カラフル」な「ボトルネック」
森絵都「カラフル」がアニメ映画になったそうで。
- 作者: 森絵都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/09/10
- メディア: 文庫
- 購入: 24人 クリック: 291回
- この商品を含むブログ (274件) を見る
現実に根ざしつつ、希望にあふれたとてもよい作品です。オススメ。
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 126回
- この商品を含むブログ (168件) を見る
※もし、新鮮な気持ちでこの本を読みたいと思っている方はこの先を読まないほうが良いかもしれません。ネタバレはしていないつもりですが。
なぜこんな世界に来てしまったのか?なぜ彼女は死ななくてはいけなかったのか?いくつもの謎を解明するために主人公は調査を続けるのですが、それによって知らされる衝撃の事実とは・・・。
このわかってしまった事実がとても痛い。いわゆる片仮名で書く「イタイ」ではなく、本当に痛いのです。それはこういった特殊な世界に放り込まれた彼にとっての痛みと言うだけではなく、読者である私にもそのまま直に伝わってきます。「この主人公は俺だ!俺なんだよ!」
結末の、すべてが色を無くしてしまいそうなラスト一行からしてまるで「カラフル」とは正反対です。なのに私にとってこの読後感はなぜかとても心地よかったのです。
それがなぜなのか?正直よくわからないのです。夢もチボーも無いこんな物語は私の好みではないはず。
ただ「思考に限界は無い」というサキの言葉はなんだか胸に焼き付いています。たとえ主人公を救える言葉ではなかったとしても。
ではまた。