愛羅武浪漫堂!

いろんなお客さんがいらっしゃいます。性別年齢、趣味特技、資格有無は問わず、文字通りゆりかごから、えーとむにゃむにゃまで、共通項でくくるならみんな本好きということくらいです。


坂井三郎って知ってるか?ゼロ戦乗りでなあ、昼間でも星が見えるっていういい眼を持ってて急降下で敵機を落とすんだ。撃墜王って呼ばれててなあ、子供のころのヒーローだったなあ・・・」ある日の閉店間際、時々来る近所のおじいさんが戦記ものの文庫を手にうれしそうに語っていきました。

私にとって特に興味のある話ではありませんでしたが、身振り手振りを交えて話すそのパワーにおされてなんだかやたらと楽しい気持ちになりました。


自分の好きなものについて楽しく、愉快に、時に熱く話が出来る人には少なからず好感がもてます。以前、毎日のように一緒に飲んだくれていた後輩は酔うと延々とガンダムと馬の血統について語りだす奴でした。
話した内容は全く覚えていませんが、楽しそうに真っ赤な顔でニコニコしゃべる彼と飲むのは好きでした。


好きなものには考えるだけでその人をしあわせにさせるパワーがあると思います。そういう意味では自分の彼氏や彼女、旦那や奥さん、こどものことを臆面も無くのろけられる人も私は嫌いではありません。


昔、後輩たちとの飲みの席でその時のメンバー一人一人の好きなところをみんなで言い合うという、しらふではとても考え付かないような飲み方をしたことがあります。薄暗い居酒屋でみんな照れながらやたらと盛り上がっていたのを覚えています。青春やったねえ。


またまたとりとめもない話になってしまいましたが、好きなものを楽しく語れる場所のひとつに、このお店もなれれば良いなあと思います。そらまあ、時には愚痴もあるとは思いますけど。


ではまた。