あしたの浪漫堂

先日はとつぜんの休業、申し訳ありませんでした。
張り紙をしていくはずがうっかり忘れてしまい、数人のお客さんに、「つぶれちゃったかとおもったわ」と言われてしまいました。その可能性は否定できませんが、突然シャッターが閉まってそれっきりということは無いと思います。多分・・・。


さて、気を取り直して先日の謎の答え合わせ、またしても、問題出したはいいのだが解答編ではあまりテンションあがらないの術が発動しておりますがこれが正解!








てーん!


おお、確かに自転車に乗ってる石中先生はおばさんにも見える、古いけど多色刷りの表紙はきれいだと言えないこともないし、まあマンガ本に見えないことも無い。


しかし、よりによって小学生の男の子がなぜこの本に執着するのか、コボちゃんみたいなマンガと勘違いしたのかな、と思っていたら当の本人がご来店。あったよ、これだろうと手渡すと「おおっ!」と表情が明るくなり、中を見てあれっ?て顔を
「うーん、どうしようかな・・・、やっぱり買うわ!」
えええ!買うの?


話を聞くと、昔のおもちゃや本なんかを集めるのが好きなそうで、表紙のなんともいえない古びた雰囲気に惹かれてしまった、ということだそうです。
今日はこれ以外にも荒俣先生の怪物の本も気になるそうですがそうですかこっちの方が良いですか。


これなあ、店に置いといてもそうそう売れるものではないとは思うけど、一応初版で状態もそう悪くないからそこそこの希少本ではあるのだけどなあ。


まあ、でも将来の古本好きを育てるためかと考え、彼がいつも買っていくくらいの金額を言ったらうれしそうにお金を払い、大事に抱えて持っていきました。


君の本好きは知っているけどさすがに『石中先生行状記』は小学生にはおもしろくないと思うんだけどなあ。
石坂洋次郎なら『青い山脈』ぐらいからはじめた方が良いとは思うけど。
まあ、言ったんですがそういうことじゃないんだよね。古本者としては正しい、とてもうれしい姿です。


願わくば彼が大人になるまでこの店に通ってくれんことを。この店が、古本浪漫堂がその頃まで残っていてくれんことを。
その時、このことを笑い話のように話せたらいいなあ。


がんばらんばね。


ではまた。