「シャム双生児の秘密」 エラリー・クイーン

シャム双生児の秘密 (新潮文庫 ク 2-5)

シャム双生児の秘密 (新潮文庫 ク 2-5)

買取で創元推理やハヤカワミステリの文庫が多数入荷しました。


ヴァン・ダインクロフツ、クイーンなど古典の名作が多く、これを機会に読んでいないものを、と、思って手に取ったクイーン、これがびっくり。


最初はこなれていない訳文に微妙な違和感を感じながら読んでいたのですが半分も読むうちにそんなことは気にならなくなってきました。


あれ、こんなに早く謎解き、と思っていると案の定・・・。文字通り二転三転する展開にページをめくる手も止まりません。どんどん読むうちにまさに息もつかせぬサバイバルな状況に、そんな中での最後の謎解き、ああ、確かに伏線はバリバリあったのにわすれてたなあ、そしてなんて美しいラスト一行・・・。


冷静に考えると名探偵の勘違いでずいぶん死ななくていい人が死んでいるけれど・・・。ああ、だからクイーンは苦悩する名探偵なのね。これも美しい。


それにしてもシャム双生児の扱いが「孤島の鬼」とはずいぶん違います。好きものの女性であれば「萌え〜」とか言いそう。私は秀ちゃん吉ちゃんの方が萌えます。「暗黒館の殺人」の美魚と美鳥も魅力的でしたが。


ではまた。