「犯人は私だ！？」

冷えますなあ。降りますなあ。

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)

「ウルチモ・トルッコ　犯人はあなただ！」

第３６回メフィスト賞受賞作
「あなたが犯人！」。
あり得ないと思えた企みの完遂に向かい、すべての進行が周到に準備される。この被害者を殺した犯人は、僕だった。
これから読まされる人すべてがこの驚きを味わうはず。

「誰もが気づかなかった方法。
このジャンルの文句なくナンバーワン。」島田荘司

ああ、もう、私に読まれるのを待たれていたかのような本です。
この挑戦的なタイトル、表紙からしていかれています、中心が丸い鏡状になっており、そこに自分の顔が映るようになってます。

そうかそうか犯人だもんな、ある意味主役だ。

このキテレツな設定を如何に納得させてくれるのか？ああ、もう屁理屈でも何でもいいから楽しませてくれい！そんな気持ちで読み始めました。

結論から言いますとかなり楽しめました。文章も巧みで展開も非常におもしろく先が知りたくて次々とページをめくらされます。

特に終盤にかけてはこの作品の根幹にかかわる部分ですので息詰まるような思いで読んでいきました。そしてラスト・・・。

ああ、そうきたかあ・・・。本を投げつけるほどの衝撃！と言うよりは笑ってしまいました。
いや、けしてバカミスでは無いのです、わりかし真面目にこのトリックに取り組んだのはわかるのですが厳密に言うと私が犯人では無いのでは、いやでも作品の構造自体に組み込まれていると考えると正しいのか？しかしムニャムニャ・・・。

いいかあ、おもしろかったから。チャレンジャーだし、他の作家さんにももっとこういうキテレツトリックに挑戦して欲しいなあ。

個人的にはこの分野の作品で大好きなのは鯨統一郎さんのアレです。バカですけど。

ではまた。