えらべどもえらべども

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

ひさしぶりに「しゃべれどもしゃべれども」を読み返しました。
大好きな作品でなんども読んでいるのですが最初に読んだのはハードカバーで出たばかりのころで97年、もう10年以上前になるんだなあ。


当時はまったく別の仕事をしていたのだけど、あまりのおもしろさにいろんな人に薦めまくったことを覚えています。こんなにおもしろい本があるんだ、読まないのは損だよ、とにかく夢中で薦めまくって、おもしろかったあ、読んで良かったよ、あのシーンいいよねえ、ラストの少年がさあ・・・そうそう、そうなんだよ、わかるなあ、そんな会話をしながら自分が書いたのでもないのにうれしくてたまらなかったのを覚えています。


前回読んだのは今の仕事を始める前、多分五年以上は経ってると思いますが、何度読んでもやっぱりおもしろい。
ラスト近くに確実にうるっとくる大好きなシーンがあるのですが、今回はそれ以外にも今まで気づかなかったようなシーンや、読み飛ばしていたような台詞でページを繰る手が何度も止まりました。


初読の衝撃を差し引いても、何度も読むたびに新しいおもしろさを感じさせてくれ、その時々に必要な何かを考えさせてくれる。やっぱりこの本はすばらしい。確実に自分の中のオールタイムベストには入るなあ。


はて?オールタイムベストですと。そんなものは考えたことも無かったなあ。「しゃべれども」は入るとしても同じ佐藤多佳子さんなら「黄色い目の魚」もはずしたくない。児童文学なら確実に「冒険者たち」は入るとして、エンデなら「モモ」や「はてしのない物語」をはずしても「ジムボタン」の二冊は譲れない。去年読んだ「トムは真夜中の庭で」も押えておきたいし、山中恒先生を一冊入れるなら「おれがあいつであいつがおれで」か「あばれはっちゃく」か「とべたら本こ」も捨てがたい。乱歩先生はどうする?SFは?ミステリは?ちょいと収拾が付かなくなりそうなのでこの話は続きます。多分。


ではまた。