追悼

井上ひさし先生が亡くなられてしまいました。


先日、ちょうどモッキンポット師のシリーズを読み返し、あらためてそのおもしろさにうならされていたところだっただけに、なんともかんとも残念です。


最初に触れた作品は「ブンとフン」であったと思われます。おそらく小学生であった私は、大人の本なのになんておもしろいことを書く人なのだろう、とその言葉使いの巧みさに酔いしれ、何度も読み返したことを覚えています。


実は優れたミステリであり、先生らしさをふんだんに盛り込んだ「四捨五入殺人事件」や「十二人の手紙」
ダメ男子青春小説の大傑作「青葉繁れる」
子供向けとは思えないようなラストに本気を感じさせられた「偽原始人」
あのボリュウムでやってのけた井上ひさし言葉遊び小説の集大成「吉里吉里人」
大好きな作品は上げればきりがありません。

ものすごくおかしいのに、どこかさみしさを感じさせられる、そんな作風がとても好きでした。


間違いなく、今の本好きの自分を作り上げている大きな要素をはぐくんで下さった偉大なる作家の一人であると思っております。


ありがとうございました。先生の作品は永遠です。