桜酒 サクラサケ

「桜が咲いたらね、彼を誘ってお花見に行くの。車だと二人で飲めないから電車でね、うふふ。ちょっとマスター聞いてる?お酒もう少しもらっていい?」


誰がマスターですか、ここは古本屋ですよお嬢さん。
だいたいその彼とはまだ付き合ってもいないという話じゃないですか?


「そうなんだけどね、春までにはきっと!うふふ。マスター、お酒もうちょっとだけもらっていいですか?」


あらら、あたしのとっときのボトルがもうこんなに!ちょっと飲みすぎじゃありませんか・・・?全然平気そう、ですね。


「もうステキなんですよ彼、たぶん私のこと好きだと思うんだけどなあ。うん、きっとそう!ですよねマスター」


そうですねえ、彼も酒のみだと良いですねえ。まあでも前向きすぎるのもちょっと心配。仕事のほうとか大丈夫なんですか?いろいろ大変だと前に言ってましたけど。


「うん、いろいろ心配はあるんだけどね・・・。でも彼のためにもがんばる!がんばってお花見に行くの!    あれ、お酒、もう無いの?」


なんともポジティブな恋の話に、ついつい耳を傾けているうちに閉店時間を越えてしまいの居酒屋タイム。
いやうちの店そんなシステム無いんですけどね。


うまくいくと良いですなあ。桜が咲いて、恋も咲く。そんな楽しい春であって欲しいものです。


お酒が飲みたい方は持込みで。モチのロンですがあたしも嫌いじゃあございません。楽しい話、本の話が出来れば良いなあ。


前向きに、元気良く、たくさんの願いを込めて、日本中に、


春よこい!


ではまた。